派遣薬剤師が考える最近の薬問題
派遣薬剤師から見た最近の薬問題について

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薬の郵送は違反ではない

【 指導の後に薬の処方を 】

薬の処方

処方箋を持って、薬局に行ったはいいが、待ち時間が長すぎる‥という患者さんも、いると思いますが、そういった患者さんに対しては、先に服薬指導を行い、 その後、薬剤調整、郵送を行っても、薬機法には接触しない、という見解を経済産業省が発表しました。

なぜ「経済産業省」の発表になるのか?ですが、企業のグレーゾーン解消制度を扱うのが経産省、厚労省が「服薬指導後、薬を渡すのだから違反ではないのでは」という検討結果を出し、 その回答を得るという形だからです。
具体的には、患者が調剤訪問→服薬指導→患者は帰宅→薬局は調剤、監査、ウエブ決済→郵送、となっています。

確かに、薬剤師の指導の元で処方、という条件はクリアできますね。しかし、慣れが生じると、処方箋を置いて帰る、という方法にもなりかねない。 手渡しの場合は、嫌でも現物を見ることになり、何となく、中身を確認しておく患者さんもいます。結果的に服薬指導の密度が増したりもする。

その順序が逆転するわけですから、服薬指導をしたかどうか、を、どういう基準でチェックするのか?が、大事なポイントです。 ロクに医師の話も聞かず、処方箋を受け取り、調剤に置いて帰ってくる、これでは、ただのスタンプラリーになってしまいます。

医師の処方については、現時点で「医者の良心」に任されていますが、この方法が定着すると「薬剤師の良心」も問われそうですね。

【 薬に対する疑問を解決 】

薬

この方法に近いのが、現在のネット通販で医薬品を買う方法、まず書類を記載、薬剤師がチェックしてOKだと思えば、薬を発送、問題がある場合は聞き取り調査となっています。

この方法が、いい加減になっていることが、現在問題視されており、実店舗では比較的起きづらい現象でもあります。

やはり、実店舗の場合、手渡しになるため、薬剤師との会話がスルーとはなりづらい。その代わり、相互にコミュニケーションが取れているわけでもない。というのが現状。 まず、最初に服薬指導の場合、現物が無い。「この白い錠剤は」と1から説明が必要なケースは、郵送にはしづらいと思うのですが、法的にはOKである。

そもそも患者さんは、服用している薬の名前を、何となく憶えているが、容量となると「何だっけ」となりやすい。つまり、あまり薬を文字で記憶しているわけではない。 むしろ「いつもの白くて大きめの」という記憶方法が多い。

そこから進歩してもらうために、お薬手帳がある。しかしお薬手帳はプロがチェックするには有効ですが、本人は活用出来ているのか?とはいえ、お薬手帳の文字情報を、 本人が詳細に把握する必要はないとも言える。

例えば、複数の薬を飲んだら体が痒い、この場合はお薬手帳というより、その際についてくる「薬剤写真入り説明書」を見るケースが多いと思われる。一覧を見てみたら、 注意事項に「かゆみ」と書かれているものがある。薬剤師に訊く、こういった流れの中で、患者さんが、薬の名称や容量を把握する必要は特にない。「かゆみ」が出る薬剤を変更して、 問題が出なかった場合、元の薬を把握する必要もないとも言える。

ただし、「痒みが出て変更した薬がある」ということは、記憶してもらわねばならず、それがお薬手帳で、解るようになっていなくてはならない。その旨を薬剤師が、 きちんと記入している場合、患者さんは「合っていない薬があった」という程度の記憶でも良いのです。

しかし、例えば、徐々に減薬するとして、容量の少ないものに変更したとする。「この薬は、前回の半分の量になっています。」という場合は、把握してもらわなくてはいけない。

服薬指導で大事なのは、「現在」の薬の飲み方。
同時に市販薬を飲んでいる可能性もありますね。そういった背景をどこまで聞けるのか?が、大事なこと。指導と処方の順番を変えることで、待ち時間が無くなるのは良いが、 患者さん情報を得る機会が減ってしまっては、ただの「調合屋」になってしまいます。

【 薬の服用歴を管理する 】

服用歴

過去の薬の服用歴を、どの程度、本人が管理するのか?も難しいところ。それを確実にするために、お薬手帳があるのですが、副作用などを、きちんと記入する必要はない。

そして、患者さん自身も、マメな性格で医療意識が高くない限り、気になる点を追記することは、あまりないと思うのです。そして、お薬手帳を使わず処方薬をもらった場合や、 市販薬の購入は記載されていない。察しが1冊でない場合を含め、手帳情報が、中途半端な状態になっている可能性は大きいのです。

服薬指導を先にする場合は、お薬手帳を活用、副作用がある場合は記載、などをして「薬を飲む心構え」をしてもらうと良いかもしれません。

今回の「薬の待ち時間の短縮」無駄を省けるのはいいことですが、無駄を省くことで「より調剤活用が有効になる」という結果を出さないと、何故、薬剤師から薬を受け取るのか? という根本的な疑問に突き当たります。

医師、薬剤師に関わるのは無駄な時間、と患者さんが感じない仕事をすることが大切です。


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